【N式】高騰する電気代をエコキュートの設定を変更して電気代を安く抑える方法
2024年6月の電気使用分から政府からの電気代の補助金が無くなるのをうけ、N式を参考にして、高騰する電気代をできるだけ抑えるために、Panasonic製エコキュートの設定を変更して、エコキュートの沸き上げを深夜の安い料金で沸かす方法から、太陽光発電を活用することで買電ゼロ円で沸き上げる方法を紹介します。
我が家の生活環境
1.2020年1月より、ミサワホームで建てた平屋で生活
2.4人家族で、私と、専業主婦の妻と、高校生、中学生の子供で生活
3.太陽光パネル(発電出力7kw)を屋根に設置し、太陽光発電で売電(21円/kWh)を行っている
4.蓄電池設備は無し
5.ガスは使用しておらず、オール電化住宅
6.夏場は24時間エアコン使用、夏場はお風呂を溜めず主にシャワーのみ
7.夜間の電気使用は、主に食器洗い乾燥機と、ランドリールームに干した洗濯物を乾かすために除湿器を使用(エコキュートのお湯の焚き上げは、N式導入により2024年5月中旬より夜間から昼間に変更)
電気代値上げの主な原因
電気代が高騰しているのは、次のような原因からです。
燃料価格の高騰
電気料金値上げの大きな原因となっているのが、燃料価格の高騰です。新型コロナウイルス感染症拡大により停滞していた世界経済が回復するなか、原油の需要が高まっています。ウクライナ侵攻の経済制裁を受けたロシアが輸出入を制限されたことも、燃料価格の高騰を招いた一因です。
天然ガス価格の推移
天然ガス価格はドル建てで取引されるため、為替相場の影響も考慮して推移をみる必要があります。為替を考慮した価格推移のデータによると、2020年10月には100万BTUあたり629円でしたが、2022年の10月には100万BTUあたり3483円まで上昇しています。
出典:新電力ネット
石炭価格の推移
南アフリカの石炭価格(為替考慮)は2020年7月には1kgあたり6.04円でしたが、2022年10月には1kgあたり48.01円まで上昇しています。その後2023年1月には22.39円まで低下し、かなりの値動きがみられます。
出典:新電力ネット
再エネ賦課金の値上げ
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーによる発電を普及させるために、必要となるお金です。再エネ電力の買取量が増えるほど、再エネ賦課金も上がります。
政府による電気代値上げへの対策「電気・ガス価格激変緩和対策事業(激変緩和措置)」が終了に
激変緩和措置とは、エネルギー価格の高騰によって生じる国民生活や経済活動への負担を軽減することを目的として、2022年10月に決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」にもとづいて実施される施策です。
申請した電気や都市ガスの小売事業者に対して国から補助金が支給され、それを原資として2023年1月使用分(2月検針分)から、企業や家庭に請求される電気やガスの料金が値引きされていました。
しかし、補助金の支給は2024年5月使用分(2024年6月検針分)で終了となり、電気代は6月使用分からさらに値上がりとなります。
電気代の高騰に対して行われていた政府の激変緩和措置による値引き期間が2024年5月使用分(6月検針分)までであり、5月使用分の値引き単価が4月使用分までよりも減額されました。しかし、補助金の支給は2024年5月使用分(2024年6月検針分)で終了となり、6月使用分(7月検針分)からは激変緩和措置終了後となるため、大手電力会社10社すべて電気代はさらに値上がり傾向となる見込みです。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)単価も値上がりし、2024年4月使用分(5月検針分)以降は増額となっています。
N式とは
一条工務店で施工したInstagramで人気の『なあたン』が考案したもので、太陽光で発電した電気を最大限に自家消費として活用し、電気代を安く抑える使い方です!
- エコキュートを夜から昼に沸かす方式に
- 蓄電池で蓄電した分を夜間に全て使用
- 基本料金(0円)の掛からない電力会社に変更
N式を最大限活かすには、以下の方が最も適しています。
- 太陽光パネルを屋根に設置していて、太陽光発電を行っている
- 蓄電池を設置していて、昼間の余剰電力を蓄電池に貯めている
- 電力会社を変更するのに抵抗がない人 (基本料金の掛からない電力会社に変更など)
以上の条件にすべて当てはまらない人でも、以下の条件が当てはまればN式を利用して電気代を節約することは可能です。
- 太陽光パネルを屋根に設置していて、太陽光発電を行っている
- 太陽光の売電契約が余剰売電であること(全量買い取りの方は発電した電力を自家消費できないためN式できません)
- オール電化でエコキュートを利用して給湯のお湯を沸かしている
- 電力会社を変更するのに抵抗はあるが、今と同じ電力会社でプランを変更してもいい
エコキュートについて
【エコキュートの仕組み】
エコキュートは、下記のような仕組みでお湯を作ります。
1.大気中の空気の熱をヒートポンプユニット内の熱交換器の冷媒が取り込みます。
2.取り込まれた熱が、ヒートポンプ内の圧縮機にて高温になります。
3.高温になった冷媒(CO₂)は、ヒートポンプ内の水側熱交換器で熱を水に伝えてお湯をつくります。
4.お湯を貯湯ユニットに貯めて、お風呂や台所、洗面などで使えるようにします。
5.水側熱交換器で熱を奪われた冷媒(CO₂)は膨張弁に運ばれて、低温になります。
6.貯湯タンク内の高温のお湯は、設定温度になるよう水を混ぜて、お風呂や台所、洗面などに給湯されます。
エコキュートは、深夜の時間帯23時〜7時に8割、17時〜23時に残りの2割を沸かすという考え方でプログラミングがされているようです。
深夜に10割のお湯を作っても本来の使用するピークタイム(17時〜23時)頃には自然放熱をしてしまい、タンクの温度が下がってしまい結局は無駄な電力を消費していたということになります。
これを考慮に入れ、ピークタイムの直前等に残り少しを沸き上げようという考え方のようです。
エコキュートの設定変更(Panasonic製)
我が家のエコキュートは、Panasonic製のHE-NS46JQSというエコキュートを設置していますが、同じPanasonic製であれば、設定方法はほとんど変わらないと思います。
現在時刻を変える(必須)
日時の設定は上記画像の「3」の「時」を現在時刻から12時間ずらします。
12時間ずらすことで、エコキュートは昼と夜の時間が逆転した設定になり、夜にお湯の炊き上げを行っていたのが、昼にお湯の炊き上げを行うことになります。
エコキュートの仕組みとして、大気中の空気の熱をヒートポンプユニット内の熱交換器の冷媒が取り込み、取り込まれた熱が、ヒートポンプ内の圧縮機にて高温になるということで、外気温の低い夜間にお湯の焚き上げを行うより、外気温の高い日中にお湯の焚き上げを行うほうが熱交換器の仕組みとしても、効率がよくお湯を沸かすことができます。
ピークカット設定をする(お好みで)
日時の設定変更だけで設定としては十分のなのですが、私の場合は日中のお湯の炊き上げだけでは給湯タンクがいっぱいにならず、太陽が沈んで太陽光発電をしない時間帯にお湯の炊き上げをするのを防ぐ目的で設定しました。
設定としては、4時から10時にピークカットの設定をして、太陽が沈んで太陽光発電をしない時間から電気代が安くなる夜の10時までお湯の炊き上げをしたいようにしたいと思って設定しました。
お湯が足りなくなれば、今まで通り電気代が安い夜の10時以降の時間帯に、お湯の炊き上げをおこなってくれるはずです。
ピークシフト設定をする(お好みで)
これも日時の設定変更だけで設定としては十分のなのですが、ピークシフト設定を「切」にすると、お湯の炊き上げ開始時間を早くしてくれるようなので、設定しました。
通常、エコキュートは23時からお湯の炊き上げをするようなのですが、12時間時間をずらすと、昼の11時からお湯の炊き上げが開始されます。太陽はもっと早くに上がっていて、晴れていればとっくに太陽光発電をしている時間です。
できるだけ、日中の太陽光発電をしている時間帯にお湯の炊き上げを行いたいので、設定をしました。
ピークセーブ設定をする(お好みで)
これも日時の設定変更だけで設定としては十分のなのですが、曇り空で太陽光発電が十分でないときでも、太陽光発電でお湯の炊き上げをしたいと考え、少ない消費電力でお湯の炊き上げを行うようにピークセーブ設定を「入」に設定しました。
契約電力会社とプランについて
我が家では東北電力の「よりそう+ナイト10」契約容量 10kVAという夜10時から朝8時までの時間帯がお得なオール電化向けの電力プランの契約にしています。
よりそう+ナイト10とは
■夜10時から朝8時までの時間帯がお得なプランです。
■よりそう+ナイト8と同様に、昼間時間から夜間時間に電気のご使用を移行していただくことにより、電気料金の節約が可能となります。
東北電力のホームページには、「2023年3月31日をもって、新規加入受付を終了しました。なお、2023年3月31日までにご加入されているお客さまにつきましては、2023年4月1日以降もご契約が継続されます。」と記載されています。
なので、プランを変更したり、電力会社を変更したら以前のプランには戻れないので、慎重にプランの変更や電力会社の変更をしていきたいと考えています。
よりそう+ナイト10の電気料金単価
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |||
---|---|---|---|---|---|
2024年3月31日まで | 2024年4月1日以降 | ||||
基本料金 | 主開閉器契約 | 6kVA以下の場合 | 1契約 | 1,667円60銭 | 1,667円60銭 |
6kVAをこえる場合 最初の10kVAまで |
1契約 | 2,376円00銭 | 2,376円00銭 | ||
上記をこえる | 1kVA | 369円60銭 | 369円60銭 | ||
実量契約 | 6kW以下の場合 | 1契約 | 2,261円60銭 | 2,261円60銭 | |
6kWをこえる場合 最初の10kWまで |
1契約 | 3,217円50銭 | 3,217円50銭 | ||
上記をこえる | 1kW | 501円60銭 | 501円60銭 | ||
電力量料金 | 昼間 | 最初の80kWhまで | 1kWh | 33円17銭 | 33円07銭 |
80kWhをこえ200kWhまで | 1kWh | 41円92銭 | 41円82銭 | ||
200kWhをこえる | 1kWh | 47円02銭 | 46円92銭 | ||
夜間 | 1kWh | 27円99銭 | 27円95銭 |
よりそう+ナイト10の計算方法 (主開閉器契約の場合)
基本料金 | 電力量料金 | 再生可能エネルギー 発電促進賦課金 |
||
使用電力量 | 燃料費等調整額 | |||
昼間 | 夜間 | |||
6kVA以下の場合 6kVAをこえる場合 最初の10kVAまで 上記をこえる |
最初の80kWhまで 80kWhをこえ200kWhまで 200kWhをこえる分 |
1kWhにつき27円95銭 | 燃料費調整単価 × 使用電力量(kWh) 離島ユニバーサルサービス |
再生可能エネルギー 発電促進賦課金単価 × 使用電力量(kWh) |
まとめ
日時の設定変更で、12時間時間をずらしましたが、エコキュートの通常の設定だと夜の11時からお湯の炊き上げを行いますが、設定変更後は昼の11時からお湯の炊き上げを行います。
お湯をたくさん使う冬の時期などは、「ピークセーブ設定」をしていると11時からでは太陽が出ている日中の間にお湯の炊き上げが終わらないかもしれません。その時は「ピークセーブ設定」を「切」にするか時間を10時間ずらして、昼の9時からお湯の炊き上げが始まるように検討しています。
12時間ずらすだけだと、給湯の時計を見ても違和感はないのですが、10時間ずらすと給湯の時計を見たときに慣れないとすごく違和感を感じそうです。
このあたりは、給湯タンクのメモリを確認しながら調整を行っていきたいと思っています。
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